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マスティフ
マスティフグループと言われる犬種は多く、この場合のマスティフとはアジアに起源を持つ、いわゆるマスティフ系古代犬の子孫の意である。
マスティフ系古代犬の起源はと言うと2700年前のバビロニア、3000年前のエジプト、3100年前の中国など諸説あるものの確証はない。
マスティフの犬名は「パワフル」と同意語の「マスティー」に由来するとの説もあるが、多くの国でマスティフと言う語は「犬」を意味する言葉であった。

現在、犬種名でマスティフと呼ぶ犬は、正確にはオールド・イングリッシュ・マスティフと呼ぶべき犬で、アジアのマスティフ系の犬がアッシリア、ペルシャ、バビロニア、エジプトを経てイギリスに伝わり、改良されて2000年以上を経た犬種である。
主として邸宅や猟場の番犬として働き、軍用犬としても使用されていた。
番犬としてのマスティフの歴史は長く、イギリスでは農場を害獣から守るためにマスティフの飼育を義務付けていた時代もあった。
農場ではマスティフを昼間は鎖で繋いでおき、夜になると解き放した。
番犬として長い年月を過ごしたマスティフは、家庭や主人を守る特性を身に付けたようである。
マスティフの主人に対する献身ぶりを書いた逸話や、マスティフが主人を救出する場面を描いた絵画など、ヨーロッパやアジア地域でマスティフの名声を後生に伝えるものは多い。
マスティフはマスティフグループの中でも根幹をなす犬種で、多くの犬種の開発、改良に影響を与えている。

シーザー率いるローマ軍がイギリスに侵攻した時、マスティフは果敢にローマ軍と戦ったと言われている。
ローマ軍はマスティフをローマに連れ帰り、闘技に使用した。
3〜4頭のマスティフとクマ、ライオンを闘わせる猛獣闘技が古代ローマで人気を博した。
現代の動物愛護の観点からは信じ難い事ではあるが、いわゆるマスティフ系犬種とウシ、クマなどの闘いは150年前までのイギリスやアメリカでは人気の高い娯楽であった。
クマとの闘技はベア・ファイティングと呼ばれイギリス人を熱狂させ、17世紀には国技とみなされていた。
しかも、これら血なまぐさい見世物は王侯貴族の支援によって開催されており、これらの競技で常に第一線で活躍したのがマスティフであった。

闘犬として名を馳せたマスティフであるが、現在では昔のようなどう猛さはなく観賞犬、有能な番犬として飼育されている。
多くの巨大犬と同じく、戦時下でのイギリスでマスティフは衰退するが、戦後アメリカに渡り良血犬が作出されている。
今日のマスティフは顔貌に似ず温和で、飼い主に対しては絶対的な忠誠を示す。
近年は、胴の太さが重視される傾向にあり四肢の長いものは好まれない。
巨大犬であるマスティフは見栄えで評価されがちであるが、マスティフの本領は「威厳」であり、何よりも気質で評価されねばならない。

マスティフの並外れた体力をコントロールし、家庭犬として迎え入れる事は万人にできる事ではなく、我が国では知名度が高い割りには飼育数の少ない特殊犬種である。
イギリス
ワーキング (AKC)
ワーキング(KC)
第2グループ(JKC)
AKC 6,913頭(全犬種中 32位)2006年
JKC 7頭(全犬種中 119位)2008年
♂76cm以上
♀70cm以上
75kg
♀75kg